菅井 敏之氏 : 100CHインタビュー

掲載日:2021年12月01日 カテゴリー:100CH
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「人生に、経営力。」を実践されている方々のお話をお届けしている「100CHインタビュー」。
今回は、元メガバンク支店長であり、ベストセラー書籍『お金が貯まるのは、どっち!?』の著者、お金の専門家「菅井 敏之」氏にお金への向き合い方や老後2000万円問題について語っていただきました。


Ⓠお金について考えるようになったキッカケ


僕は銀行員でしたから、日々お金の話に囲まれていたんです。なので、その銀行に入って「たくさんのお金持ちを見るようになった」というのがお金を考える一番大きなきっかけだったと思います。ただもうちょっと遡っていうと、僕の子ども時代の経験ですね。うちの家はお小遣い制ではなく、家の手伝いをすることでお駄賃みたいな形でもらっていたんです。「お金はただもらえるものじゃなくて、誰かの困っていることを発見して、それで自分のリソースを提供するとその報酬としてもらえる」というこの理屈が小さい頃からの実践で染み付いていたというのがすごく大きいです。

加えて銀行に入って2年目ぐらいから営業に出されたんですけど、最初は課長の困っていることを解決するために、自分は一生懸命営業して回ったんですよ。お客さんをダシにして、上司に応えようと思ったわけです。でも結果、裏目に出てしまって…「あれ?これ俺、間違ってた?」って気づいたんです。「困ってるのは上司じゃなくてお客様だろ、お客様にフォーカスしないと結果って出ないんだ」っていうことを2、3年目の時に身をもって知ったんです。それから、お客様の困っている事をとにかく見つけて、自分ができることで解決していこう。という風に変えた途端に営業成績がぐんぐん上がっていって、この基本の考え方が出来るきっかけになったのは非常に良かったと思います。


Ⓠそれぞれの年代でお金とどう向き合うか


お金を運んでくれる仕組みを持ちましょう。ということを僕は常に言っていて、資産って3つあって、1つ目は「金融資産」結果としての配当金や利息。2つ目が「不動産収入」家賃と駐車場収入。もう一つは「ビジネス力」と呼んでいるんですけど、その人自身が持っている人脈とか知識とかスキルによって異なる給料や事業収入。じゃあ、その時の年代的にどれにまず力を入れていくんだ、というこの発想が非常に大事。やっぱり20代で力を入れるのはこのビジネス力。例えば、僕は来年60才ですけど、今から宅建の資格を受けろって言われても、もう無理ですよ。だけど、20代だったら、どんどん吸収出来るわけですよ。そういったものっていうのは自分の武器になったりしますよね。であれば、3つあるけど自分自身が将来稼ぐであろう未来に向けて投資をしていくというのはすごく有効だと思うんです。

あとやっぱり一生懸命仕事をする。自分に何がむいているかなんてわからない。僕だって、20代の時に自分が何にむいていて、何者かなんてわかんなかったですよ。それを、なんか知らないけど、高額セミナーとかにお金出して、自分探しの旅で無駄な投資している若い人いっぱいいるけど、本当にやめた方がいいと思う。そんなことするより毎日自分が期待されていることに対して120%の結果を出していく。そうやって自分の引き出しを、増やしていく事に全力集中した方がいいです。20代ってそんな感じで過ごすべきだと思うんですよ。自分の市場価値を高めれば600万の年収が800万円、或いは1,000万円で雇ってくれる会社があるかもしれないじゃないですか。そうやって自分のビジネス力を高めて売っていけば良いわけですよ。だって自分は自分株式会社の社長なんですから。

菅井 敏之氏 : 100CHインタビュー(1)

Ⓠ老後2000万円問題について


人それぞれ違うので僕の言っているやり方がベストとか、そういう押し売りするつもりはないです。老後の2000万円問題っていうのもあれも1つのモデルケースであって、標準世帯を想定してゆとりある生活をするには、2000万円足りなくなるからそれ貯金しなさいねって言っているだけで、これじゃないとダメだっていうやり方はないです。人それぞれリテラシーが違うし、能力や経験も違うじゃないですか。だから、2000万円問題も同じで、人それぞれ違うんですよ。

僕が必ず講演で言うのは「ライフプラン表を作りましょう」という事。自分の人生なんで国や親が仕切ってくれるわけでもない。自分しかいないわけじゃないですか。だから僕は「老後2000万円問題」って金融庁が言ったのはすごく評価してるんですよ。要するに「面倒見ないですよ」という国からの宣戦布告ですよ。でも、それでみんなが当事者意識を持って、証券会社とか銀行とか駆け込んだっていいますよね。それはすごいプラスだったなと思いますね。貯金をするのか、アパートを買うのか、3つの資産のアセットの内、どれを使って将来に向けてのお金を補っていくのかというのは考えるべきだと思うんですよね。

あとは、本を読むのはまず入り口として前提だけど、やっぱり人に会わなきゃ駄目です。銀行に聞いたとしてもお金を貸すプロではあるけども、自分でやってないとしたら賃貸経営のプロじゃないわけですよ。と言うことは、自分がなろうと思っている人だったり、なりたい姿を実現している人に、実際に会いに行ってどうなんですかと、聞くことが大事です。


Ⓠお金に対するリテラシーを高めるためには?


ますは、会計力を身につける事です。自分は経営者なので、数字は分かりませんじゃ収まらないわけですよ。つまりPLとBS、収入に対する支出の構造、これをきちっとわかって語れる。そしてバランスシートですね。資産と負債っていうのがあって、それをバランスシートで自分の財務状況っていうのを定期的にチェックしてみる事が大事で、結局成り行きに任せてたら成り行きの人生にしかならないわけですよ。金持ちの共有言語って、やっぱり会計用語なんですよね。それが分からないと仲間に入れないんです。金融リテラシーをつけるためには、BS、PLの仕組みを覚える、ということが一番だと思います。まずはそこの会計知識をもった上で、さっき言ったようにいろんな本をたくさん読んで、それから人に会うということですよね。


Ⓠ貯蓄と投資の違いは?


貯蓄っていうのは目的が決まっていて、車が買いたいとか、子どもの大学費用に当てるとか目的が決まっているのに対してこう対応していくものですよね。投資っていうのはどっちかって言うと豊かな生活を手に入れるために、対策すものという風に僕なりに定義づけています。それで、投資っていうのは、将来自分が豊かな生活を送るためにさっき言ったライフプランに則って、今何をしなきゃいけないのかっていうことを常に逆算して考えるんです。僕は常に10年先まで考えていますよ。10年先こんな生活をしたいから、今どんな準備をしていかないといけないのか?と言うことを常に考えて手帳に書いてるんですよ。

例えば、アパートを買うための頭金作りで、今は2割〜3割出せって言いますけど、そのための頭金が1000万とか2000万円必要であれば割り算してそれを貯めるために毎月いくら貯めなきゃいけないのってなりますよね。これは投資をするための貯蓄ですよね。貯蓄残高の高いいわゆるお金持ちのAさんと、貯蓄はたいした事なくても、毎月新しいお金が入ってくるBさん、どちらになりたいかって言ったらどっちですか?僕はBさんだと確信持って言える。銀行員として、現実を見てきているから。Bさんの方がニコニコしているんですよ。貯蓄残高見てにんまりしてね、1億円溜まったなんて気持ち悪いじゃないですか。だから、貯蓄と投資の違いっていうのは、「お金がたくさんあるからじゃあ豊か」ということじゃないってことです。



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