不動産売買の仲介を中心に、売却への流れやポイントを解説します

掲載日:2022年04月02日 カテゴリー:不動産売買
一度は、聞いたことがある「仲介」とは、何か?具体的にどういう仕組みか?
不動産を売買する場合の「仲介」について、ご紹介いたします。

不動産の仲介とは?

不動産の仲介とは?
不動産における「仲介」とは、不動産売買の際に、売り手側と買い手側の間に立ち両者の契約を成立させることです。
不動産を売買する場合、売り手側も買い手側も、専門的な知識が必要な難しい法的手続きや契約書類の作成が必要となります。不動産仲介とは、両者の間に立ち、それらの難しい手続きや契約を成立させることを言います。

不動産売買取引の仲介をしてくれる、不動産会社を不動産仲介会社とよびます。
不動産仲介業をするためには、宅地建物取引士(俗に言う「宅建士」という資格)という資格を持つ人が在籍する必要があり、不動産を仲介する会社は、宅地建物取引業の免許を持っていなければなりません。

不動産を売買する場合、多くの人がこの不動産仲介会社を利用することになると思います。
具体的に何をしてもらえるのか、理解しておく必要があります。詳しくご紹介いたします。

不動産の売却方法と流れ

不動産を売却する際、方法は大きく2つあります。主に一般の個人のお客様が不動産物件を購入する「仲介」という売却方法と、不動産会社が不動産物件を直接購入する「買取」という売却方法の2通りです。

仲介買取
買い手主に一般個人のお客様不動産会社
販売促進のための宣伝活動必要不要
売却完了までの期間買取と比較し、時間がかかる仲介と比較し、短期間
売却価格相場価格で売却できることが多い相場価格よりも価格が安くなることがある


買い手


「仲介」の買い手は、主に一般の個人のお客様です。購入した物件は、お客様が住むために利用することがほとんどです。逆に、「買取」の場合の買い手は不動産会社となります。不動産会社が、物件を購入する際は、多くの場合、不動産物件をリノベーションするなどして付加価値を付けてあらためて販売をおこなう目的が多いと言えます。
このように、買い手が違う場合は、購入の目的も大きく異なります。

販売促進のための宣伝活動


「仲介」の場合は、物件を購入する買い手が主に一般のお客様となるため、買い手になるお客様を探す必要があります。不動産ポータルサイトへ物件を掲載したり、チラシ配るなどします。そうした宣伝活動を実施し、購入を希望してくれるお客様をさがします。物件の購入を検討されているお客様が内覧することもあります。こうした宣伝活動を実施し一般のお客様を集客する必要があるため「仲介」の場合、物件の売却が完了するまで時間がかかります。
それとは逆に「買取」の場合は、買い手が不動産会社のため、宣伝活動を必要としません。売り手側と不動産会社の間で、査定・価格交渉が行われたのち、両社が納得のいく条件がそろえば、売却完了となります。

売却完了までの期間


「仲介」では宣伝活動が必要で、「買取」では宣伝活動が必要ないことから、その分「買取」のほうが、売却完了までの期間が短くなります。「仲介」の場合は、売却完了までにおおよそ3か月~6か月程度時間を要することが多いようです。「買取」の場合は、売り手側と不動産会社の両社の納得のいく条件がそろえば数週間で売却完了することもあるようです。
また、「仲介」および「買取」を依頼する物件の種類(マンション、戸建て)などによっても異なります。上記は、目安です。

売却価格


売却価格は、地域や物件の種類によっても大きく異なります。単純に、「仲介」の場合と「買取」の場合を比較すると、「仲介」は、宣伝活動を通じて多くの人が情報を目にし、比較検討することから、その物件の相場価格に近い金額で取引されることが多いようです。「買取」は、不動産会社が買い手となり、不動産物件をリノベーションするなど付加価値を付けてから販売活動を行います。これら販売促進期間の宣伝活動費用や、付加価値を付けた物件の売却期間を加味して、売却価格が低くなることもあります。

①「仲介」という売却方法の流れ


まずは、「仲介」の流れを見ていきましょう。
1.売却の相談(物件の査定依頼)
2.売り手側と不動産会社が売買契約を締結する
3.販売促進のため宣伝活動(不動産ポータルサイトの掲載やチラシ)
4.購入の申込
5.購入希望者と契約条件の調整
6.購入希望者と不動産会社が不動産売買契約を締結
7.決済および物件の引渡し

「仲介」売却の方法は、売却する不動産を不動産仲介会社に売却依頼(媒介契約の締結)することで、売却することが可能となります。「仲介」の場合は、不動産仲介会社が不動産を購入するのではなく、主に一般の個人のお客様が購入することになります。そのため、一般の個人のお客様へ販売促進のための宣伝活動をする必要があります。販促の活動ですが、不動産仲介会社は、不動産ポータルサイトを活用した宣伝活動や新聞の折り込みチラシなど、いろいろな媒体を利用し、広く購入希望者を探してくれます。
物件の購入希望者が見つかった際、不動産仲介会社は、売り手側と物件購入希望者の間に入って、自分たちでは難しい契約条件の調整や契約手続きなど、商談を進めてくれます。契約の締結完了後も、物件の引き渡しが完了するまで多岐にわたってサポートしてくれます。

②「買取」という売却方法の流れ


「買取」の流れを見ていきましょう。
1.売却の相談(物件の査定依頼)
2.売り手側と不動産会社が不動産売買契約を締結
3.決済および物件の引渡し

「買取」は、一般の個人のお客様が買い手ではなく、不動産会社が買い手となり、売り手側から物件を直接購入するため、売却の相談(物件の査定依頼)から不動産売買契約を締結し、決済・物件の引き渡しまでの期間がとても短く済みます。
大幅な時間の短縮になります。上述の通り、「買取」と「仲介」の大きな違いは、販売促進のための宣伝活動がないことです。

不動産仲介契約の種類について

不動産仲介契約の種類について
物件売却の仲介をする場合において、売り手側と不動産会社は「媒介契約」を締結する必要があります。
この媒介契約は3種類あり、「一般媒介契約」・「専任媒介契約」・「専属専任媒介契約」です。それぞれの特徴や違いについてご紹介いたします。

一般媒介契約専任媒介契約専属専任媒介契約
複数の不動産会社との契約できる・複数社に依頼可能できない・1社のみできない・1社のみ
レインズへ登録義務なしありあり
自分で買主を見つけた場合の契約できるできるできない
販売活動の報告なし14日に1回7日に1回


①一般媒介契約


一般媒介契約は、複数の不動産会社と結ぶことができる契約のことです。同時に何社とでも媒介契約を結ぶことができます。また、複数の不動産会社と媒介契約を締結していても、自分で買主を見つけ個人間で取引をしても問題ありません。
依頼者(売り手側)が自分で買主を見つけた場合は、売買をすることができるのです。なお、個人間で契約が成立した場合は、不動産会社へ仲介手数料を支払う必要がありません。
そして、一般媒介契約は、「明示型」と「非明示型」の2種類があり、売り手側はどちらかを選択することができます。

明示型


依頼者(売り手側)が、仲介を依頼している不動産会社が複数あるか、複数の不動産会社と媒介契約を締結している場合は、どこの不動産会社に依頼しているか知らせる方法のことです。

非明示型


こちらは、複数の不動産会社に仲介を依頼しているのか、また複数の不動産会社と媒介契約を締結している場合にどの不動産会社に依頼しているのか、知らせる必要がありません。情報を開示したくない場合は、非明示型を利用することができます。周囲に知られずに売却を進めたい場合などは、非明示型を選択すると良いでしょう。また、一般媒介契約の場合は※レインズへの登録が強制されていません。

※レインズ(指定流通機構)とは
不動産業者が物件の情報交換に利用するためのネットワークシステムのことです。
レインズに登録することによって、物件情報が全国に公開されます。一般の人は、このネットワークにアクセスすることはできません。全国の不動産会社が、レインズで物件を確認します。そのため、登録することで物件情報が広く知れ渡ることになります。

②専任媒介契約


専任媒介契約では、契約を結べる不動産会社は1社のみです。他の複数の不動産会社へ仲介を依頼することができません。ただし、自分で買主を見つけた場合は、直接取引し売買契約を結ぶことができます。そして、専任媒介契約の場合、不動産会社は、物件情報をレインズへ登録することが義務付けられています。専任媒介契約を締結した翌日から7日以内に登録する必要があります。その他にも、14日に1回以上販売状況を報告することも義務付けられています。契約期間は、3か月間です。
専任媒介契約のメリットは、1社のみと契約するため、複数の不動産会社と契約することができる一般媒介契約よりも、不動産会社側が活発に販売活動をしてくれる場合が多いことや販売活動の状況報告を受けられることなどです。また、前述の通り自分で買主を見つけた場合は、直接取引し売買契約を締結できることもメリットと言えます。

③専属専任媒介契約


こちらも、専任媒介契約と同様に、契約を結べる不動産会社は1社のみです。他の複数の不動産会社へ仲介を依頼することができません。専任媒介契約との違いは、自分で買主を見つけた場合も、契約している不動産会社に仲介してもらわなければならないことです。専属専任媒介契約の場合もレインズへ物件情報を登録することが義務付けられています。その場合、専属専任媒介契約を締結してから5日以内に登録が必要となります。販売状況の報告は、7日に1回以上する必要があります。契約期間は、3か月間です。
専属専任媒介契約のメリットは、売買契約が成立した場合、不動産会社が必ず仲介手数料を受け取ることになるため、販売活動をより積極的に行ってくれることが考えられます。また、販売状況も7日に1回報告されるため、売り手側も現状の販売状況はどうなっているか?適宜把握することができます。


1社のみ契約を結ぶ専任媒介、専属専任媒介は、不動産会社からの手厚いサポートが期待できますし、複数社と契約を結ぶ一般媒介は、それぞれの不動産会社が競うことでより良い条件で売却できることが期待できます。
3つの媒介契約どれを選択したとしても、最終的に不動産会社に支払う仲介手数料に違いはありません。仲介手数料は売買契約が成立したときのみ支払いますので、ほかの媒介契約と仲介手数料は同じです。

仲介手数料とは

仲介手数料とは、不動産売買などの取引を行う際、売買契約が成立した時に不動産会社へ支払われる成功報酬のことです。

①仲介手数料の計算方法


仲介手数料は、宅地建物取引業法によって上限金額が決められています。そのため、不動産会社は上限額以上の金額を仲介手数料として請求することはできません。
仲介手数料の上限金額は、以下物件価格によって計算方法が異なります。

①200万円以下     ⇒物件価格×5% + 消費税 
②200万円~400万円以下 ⇒物件価格×4% + 2万円 + 消費税
③400万円超      ⇒物件価格×3% + 6万円 + 消費税

この計算式は、「速算式」という計算方法で、本来の少々複雑な仲介手数料の計算方法を簡素化したものです。速算式を利用しなかった場合、たとえば物件価格が2000万円の場合は、「200万円以下の部分(200万円)」「200万円超〜400万円以下の部分(200万円)」「400万円超の部分(1600万円)」と3つに分けてそれぞれ計算し、そこで算出した金額を合算する必要があります。速算式を使った場合も、使わない場合も、計算される金額に差はありません。ここで計算した金額は、「上限金額」のため、実際の取引ではこの金額よりも低い場合もあります。
実際に、どのくらいの仲介手数料がかかりそうか、事前に把握しておくと良いと思います。

②仲介手数料を支払うタイミング


先に記載した通り、仲介手数料は成功報酬であることから、不動産物件の売買契約が成立するまでは支払う必要がありません。また、仲介手数料は売買価格が決定しないと算出することができません。通常、一般的には売買契約時に半額を、そして引渡しの時に、残りの半分を支払います。全額を一括で支払ってしまうことも可能ですが、不動産会社の仕事は売買契約が成立したからといって終了ではなく、    物件の引き渡しまでは、その他各種事務手続きなどをする必要があるため、2回に分けて支払うと良いでしょう。ただし、仲介手数料を支払うタイミングは    契約する不動産会社によってもことなることがあるため、気持ちの良い取引をするためにも、事前に確認すると良いと思います。

③仲介手数料以外にかかる諸費用


仲介手数料以外にも売却に必要な費用があります。例えば、不動産売買契約書に必要な印紙税や、不動産の所有権移転登記にかかる登録免許税などの税金です。その他、現在住んでいる住宅を売却する場合は、引越し費用がかかります。引越しにはどれくらいの費用が必要になるか、事前にインターネットなどで確認しておくと良いでしょう。

不動産売買で仲介を依頼するメリット・デメリット

①仲介を依頼するメリット


不動産売買では、不動産売買契約書が必要です。この契約書の作成は、法的な専門知識も必要となり、難しい作業となります。不動産仲介を依頼すると、これらの難しい契約書類の作成をすべて不動産会社へお任せすることができます。専門家に任せられると言う点もメリットです。その他、不動産会社へ仲介を依頼すると物件情報を不動産ポータルサイトへ掲載したり、チラシを配布するなど、販売促進のための宣伝活動をしてくれます。これらの宣伝活動費用(広告費用)は、売り手側は負担することがなく依頼した不動産会社が宣伝活動を行ってくれるため、こちらもメリットと言えるでしょう。

②仲介を依頼するデメリット


やはり、一番のデメリットは、不動産物件の売買契約が成立した際に、仲介手数料がかかる点です。また、仲介を依頼すると言うことは、買い手をこれから探す必要があり、売買契約が成立するまでの期間が読めない点がデメリットとなると思います。(なかなか売買契約が成立しない、買い手がみつからないなど)特に、早急に現金が必要な場合は、不動産会社へ仲介を依頼するよりも、買取をしてもらったほうが早く取引が完了し、現金を手にすることができる可能性が高いです。

三和エステートの不動産売買について

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